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しこりを見つけたきっかけ
現在、アメリカに住んでいる私。30歳を迎えたばかりの2018年4月に左の胸に硬いしこりを見つけました。
きっかけは2か月生理が来なくて、来る気配も感じなかったからです。
生理が来る前は胸が張るのに、なぜ…。そう思って、胸を触っていると、硬いしこりが手に触れたんです。その瞬間にブルブルと震え始めたのを覚えています。このブログを始めて、癌への知識があったために、硬いしこり=癌の可能性が頭をよぎりました。とにかく怖くなって、母に電話。「胸、しこり、硬い」と検索すると、嫌な情報ばかり。
次の日、大学のテストで、学校に行くといつもの景色が全て違って見えました。絶望と喪失感。魂が抜けたような感覚になったんです。これからの私の未来はどうなるんだろう? とにかく不安で、仕方がありませんでした。
「ずっと落ち込んでいるのも辛い。癌じゃなかったら、それで気持ちが楽になるし、癌だったら、ちゃんと向き合おう」と決心して、3日経ってから学校の先生に見てもらうことにしました。
優しい女性のドクターが私の左胸を見てくれたんですが、「どこにあるか分からない」と。私ももう一度探すものの、見つからない。ようやく見つけると、ドクターは「結構小さいね。よく見つけたね。専門の機関で検査しましょう」と言われました。それからドクターは「あなたが癌だって心配しているのは分かるけど、良性のものも多いのよ。今は心配しすぎないで」と声をかけてくれました。
検査日までの葛藤
それから、マンモグラフィーとエコーの予約を別の専門機関でしました。予約の日まで二週間。
最初の一週間は落ち込むところまで落ち込んで、二週間目からは何故かかなりポジティブになっていました。「そうか。残りの3年の命をどうやって生きようか」。そんなことを考えていました。自分の中で、3年という年月を決めて、どれだけのことができるのか、どんな治療をして行こうか、諦めるわけじゃない。ただ、治療がしたくないだけ…色々考えていました。
「抗がん剤はやりたくない」「手術はできたら、するかなぁ」「今まで調べてきた癌治療はとことんやろう」「あとは宿命を受け止める」
予約の日。マンモグラフィーは今までやったことがなかったんですが、かなり胸を潰すので、痛かったです。あまり大きな胸ではなくてよかった! エコーの最中はしこりの部分の大きさを図ったり、他にもないか入念に探しているのが分かりました。
結果はその日にできるかと思いきや、48時間はかかると。しかも、その日は金曜日。結果は来週まで持ち越しでした。ついに結果を聞く日がやってきました。最初にしこりを見つけてから、三週間。私の中ではどんな結果も受け止める気でした。
検査結果を見つけてからは、人参ジュースや重曹メープルシロップ、ヴィーガンの徹底など、癌だった時のことを考えて、何でもやりました。まずはオーガニックの人参ジュースを飲み、オーガニックの重曹(ベーキングソーダ)とオーガニックのメープルシロップをゲット、それから動物性タンパク質なしのヴィーガンの生活を心がけました。私は75歳のおじいさんの家に住まわせてもらっていたんですが、私がそういう状態だってバレないように「健康のため」と言いながら、毎朝体をアルカリ性にするために重曹メープルシロップを飲み、ひっそりと自分でできる治療を続けていました。
検査結果は?
ついに検査結果を受け取る日。あの女性ドクターが入ってきて、最初に私にこう言いました。「落ち着いて聞いてね」と。
先生は検査結果の紙を見せながら、「まず、あなたのしこりは良性だということが分かりました。これは乳腺線維腺腫と言います。ただし、1個ではなく、2個見つかりましたよ」
ほっと一安心。まさか、2個もあったなんて気づきませんでした。
それから、先生はこのように話し始めました。
「20代から30代はこういうしこりが増えてくるものよ。しこりが大きくなる可能性もあるわ。でも、大きくなって、どうしても嫌だったら、手術で取ればいいけど、私はお勧めしない。外科医の先生だって紹介できるけど、外科医は切って、取るのが仕事だから、取るって言うと思う。このままにしておくのが一番よ。念のために6か月後にもう一度検査を受けてくださいね」
結果は良性だったものの、不安が残る
良性と言われて、本当に嬉しかったです。でも、この乳腺線維腺腫を調べると、最初は良性って言われたのに、後から悪性だったと言われたという人をネットで見つけました。やっぱり不安。
でも、私の中で、「ここは医療の最先端アメリカ」「毎日何件もの患者のしこりを見ている、専門家たち」「きっと少しでも癌の可能性があったら、細胞診を進めたに違いない」
その夏、日本に一時帰国し、久しぶりに会った友人たちに自分の状況を説明しました。すると、みんなが「日本でも検査した方がいいんじゃない?」と。
というのも、しこりが大きくなってる気がしたし、別の部位にも硬いしこりができたように感じたからです。
私は「日本の医者はきっと不安になることをいっぱい言って、たくさん余計な検査をすると思う」「アメリカのロサンゼルスの医者の方が絶対にレベルが高いに決まってる」と絶対に追加の検査はやりたくありませんでした。
不安はあるまま、日本ではひまし油湿布を続け、2日くらいで別の部位にできた硬いしこりが何故か消えました。
ドクターに不安な気持ちを話す
結局、心配性の私は、再びアメリカの大学のドクターに胸のしこりが不安なことを話しました。「本当に良性なのか不安」「細胞診した方がいいのかな」「大きくなってる気がする」と。
先生は笑顔でこう言いました。
「不安な気持ちは分かるけど、あなたは良性って言われたの。もし、少しでも癌の疑いがあれば、細胞診をしたでしょう。もし、ほんの少しでも疑いがあれば、6か月後ではなく、3か月後に検査しましょうと言ったでしょう。だから、心配しすぎないで」
これでかなり楽な気持ちになりました。
6か月後に再検査
6か月後はマンモグラフィーではなく、エコーだけでした。
結果は、良性が完全に確定しました。大きさは変わらず、大きくなっていないと。今後は特に検査せず、自分で触って、またしこりに気づいたら、見せに来てくださいというシンプリな内容でした。
不思議だったのは、「乳がん検診は定期的にしましょう」と一言も言われなかったことです。よく日本では言うのに。どうやら、マンモグラフィーはかなり体に悪いようなので、頻繁にやらない方がいいようです。だから、両胸の検査を勧められなかったのかもしれません。
最近出会ったアメリカ人の外科の研修医から聞いたこと
最近、アメリカ人の外科の研修医の人と話す機会がありました。彼に、「胸に硬いしこりができたけど、良性だって言われたよ」と言うと、
彼は「どうして良性だって分かったの? 細胞診したの?」と言われました。
私は「マンモグラフィーとエコーをやって、次にもう一回エコーやったよ。やっぱり良性だった」
彼は「マンモグラフィーなんてしたの? 君はまだ若いから、マンモグラフィーとかしない方がいい。マンモグラフィーじゃ乳がんなんて分からないよ。胸もまだ張っている時期だから、判別できない。でも、エコーで分かったなら、大丈夫だろうね」と。
彼は私の長年の胃腸の悩みまで解決してくれましたが、その話は次の記事で!
まとめ
胸にしこりができたことで、人生についてたくさん考えて、いろんなことが今までよりも感謝できるようになりました。硬いしこりを見つけたらかといって、必ずしも悪性なわけではないことも分りました。最近は、触ってもしこりを見つけられなくなりました。無くなったのかって期待してます。そして、良性だったことに心から感謝して、自分を大切にして生きて行きたいです。This is my story ….K